REPORT

#01

fav 広島平和大通り

段差がない。空間も広々。
ここなら、車椅子でも大丈夫。

「みんないれば、もっと楽しい。」が合言葉のfavだから、車椅子の方ももちろんOK。
全国各地に点在するfavにはユニバーサルルームが設けられていて、
車椅子でもストレスがないよう広々とした設計に。
洗面所やバスルームも車椅子のまま使える仕様になっています。
今回、favにお招きするゲストは、車椅子ユーザーの海野優子さんとその家族。
一家の滞在で見えてきた、favらしさとは?

海野 優子さん

海野 優子さん

Yuko Umino

2018年、第一子出産と同時に腫瘍が見つかり、その影響で左足に障害を抱え車椅子生活に。その後、奇跡的な回復を遂げ2023年株式会社ヘラルボニーに入社。現在は前職時代に培ったスキルを活かし、同社ECチームのマネージャーとして手腕をふるう。がん宣告から復活までのことをnoteにて公開中。

Instagram:@umikokun148
note:@Yuko Umino

( CHAPTER-1 )fav 広島平和大通りは
こんなところ。

海野さん一家が宿泊する「fav 広島平和大通り」は、広島駅から車で約7分の場所に位置します。ホテルの裏手には中国地方屈指の繁華街である八丁堀や流川があり、観光にもビジネスにも便利な立地です。

ホテルの総客室数は51室。どの部屋も35平米以上で、人数が多くても快適に滞在していただくことが可能です。

ホテル1階にあるカフェ・バーでは、東京・渋谷で人気を博す「Coffee Supreme」のコーヒー、広島産のクラフトビールに加え、サンドイッチなどの軽食も提供中。

「ヘラルボニー」のアートが飾られているのは、ユニバーサルルームと、ツインタイプの2部屋です。

( CHAPTER-2 )小さな気遣いが
歓迎されている気分になる。

海野さんと娘の水花(すいか)ちゃん、海野さんの母である洋子さん。親子3代で、東京からfavへとやってきた御一行。

冒頭でも述べた通り、海野さんは大病を患ったのち車椅子生活になりました。足が不自由になってからはそれまでと一変し、ホテル探しに苦労していると言います。

「障害を抱えるまでは知らなかったんですが、車椅子というだけで、ホテルの選択肢がかなり限定されるんです。宿泊する前に、ホテルの入り口に階段があるかどうかを必ず調べますし、エレベーターがあることは必須です」

老舗旅館などはもちろん難しいし、ビジネスホテルはエレベーターが完備されているものの客室内は狭小で、車椅子のまま入室することが困難。高級ホテルという選択肢もありますが、よほど特別な日でもない限り、利用することに躊躇ってしまいます。

一方のfav。

全国12棟(2024年7月現在)のほとんどにユニバーサルルームが完備され、エントランスから客室、客室内のバスルームまでがシームレス。各部屋の平米数も広く、誰もがストレスなく過ごせる空間が広がっています。

高橋 南「風のロンド」
高橋 南「風のロンド」

「それと、今回宿泊した部屋は車椅子のまま入れるほど、とにかくお風呂が広かったんです。これなら、ひとりでお風呂に入ることができますからね。他にも、小さなことなのですがお風呂に椅子が置いてあるとか、扉が引き戸になっているとか。そうした細かな気遣いは、歓迎されている気がしてうれしかったです」

favの特徴はそれだけではありません。小さなお子さんも楽しめるようおもちゃやカードゲームなどを貸出備品として用意していたり、長期滞在する人のために一部客室にはキッチンや全自動洗濯機が完備されていたり……。

障害のある方はもちろん、ロングステイもショートステイも、家族連れも単身も、インドア派もアクティブ派も、みんな楽しく過ごすことができます。

小林 覚「数字」
小林 覚「数字」

( CHAPTER-3 )ヘラルボニー在籍作家の
アートに包まれて。

この度はじまった「fav × HERLABONY」は、favとアートエージェンシー「ヘラルボニー」の共同プロジェクト。客室内に「ヘラルボニー」が契約する作家のアートピースを飾り、その部屋の宿泊料の一部が、展示されている作家へ報酬として支払われる仕組みです。

自身も「ヘラルボニー」で働く海野さんは、こう言います。

「『ヘラルボニー』が契約する作家さんは、みな障害のある方たちですが、彼らの強みは社会的な評価を気にしない点にあると思います。売れたいからとか、いまの時代に合っているからとか、自分の作品が他人からどう思われるのかについて意識していない人がほとんどです。そもそも、アートと思って作っていない作家さんも多い。純粋に自分の『楽しい』や『心地良い』という人間的な欲求にしたがって描いているからこそ、エネルギーに溢れているんだと思います。」

そうした作家の絵やファブリックが配されている客室は「ヘラルボニールーム」と名付けられました。海野さんが宿泊した客室もそのひとつで、無機質なホテルという空間を、唯一無二のアート作品が鮮やかに彩ってくれています。

私たちが住む日本は、先進国のなかでも障害のある人との接点が少ない国と言われています。たしかに日常で触れ合う機会は多くないし、生まれてから一度も、障害のある人との関わりを持ったことがない人もいるはず。

ヘラルボニールームは、障害のある人との数少ないタッチポイントでもあります。彼らのプロダクトと間接的にでも触れ合うことで、障害のある人との距離を少しでも縮めてくれたら幸いです。いまよりも、みんなが生きやすい社会を築くために。

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